小説


とかげの月

吉秒匠 Yoshinogi Takumi



line.gif

徒然 徒然    伝言 伝言    飛翔 飛翔 

line.gif




とかげの月 / 写真




更新履歴/ 「徒然」はつれづれに随時更新。


2018/02/09
『写真』








弁当箱。
同じのを買い続けている。
買い「続けて」いる。
壊れるから。
陰謀だと思う。
パッキンのカビる千切れる。
ではない。
それらは部品売りされている。
普遍的定番型弁当箱なのだ。
フタに箸を収納する。
その収納にまたフタがある。
閉めると、かちっ、と止まる。
爪があるのだった。
フタのフタと一体成形の、
プラスチックの爪。
二箇所。
これが折れる。
二箇所とも折れる。
フタのフタぱかぱかになる。
リュックのなかで箸が鳴る。
ときに飛び出す。
ケースに入れるとか、
バンドで留めるとか?
輸送時はそれでいいのだが、
食べるときに裏返す。
けっこう騒々しく鳴る。
恥ずかしい。
そして箸入れのフタは、
なぜか部品売りされていない。
重ねて書くが。
普遍的定番型である。
部品提供する気もないならば、
なぜ爪の厚みを二倍にしない?
決まってここが壊れる。
私だけではないはずだ。
何十年このカタチの弁当箱を、
作り続けているのか。
なんのこだわりがあって、
毎回折れる爪を強化しないのか。
爪折れる問題をメーカーが、
把握していないわけがない!
……疑いたくもなる。
でもまた新しい同じのを買う。
検討の果てに普遍的定番型に、
行き着いてしまうのである。
選択肢がないのだ。
競争相手が不在ゆえの怠慢か。
それともやはり企てなのか。
なにくそ負けるものかと決意する。
アクリル板をL字に加工して、
接着剤で爪の裏に貼りつけ、
さらにゼリー状接着剤を山盛り。
もしかしてこうすると、
しならずフタが閉まらないかも、
と案じたものの杞憂にすぎず。
なんの問題もない。かちっ。
これで少し延命できるだろうか。
新品を買ってすでに最期を思い、
新品に手を加えて祈っている。
せつない買い物を、
させないで欲しい。


















line.gif

いま。ここに在る、あなたを愛してる。

でも…………まだ、秘密。

line.gif

徒然<白鏡> 徒然<白鏡>



Tweets by Yoshinogi





mail.GIF


































inserted by FC2 system
inserted by FC2 system